第3話:Beginnings part3

その年の秋【リッチーブラックモアズレインボー】初来日の発表があった。どうしても行きたかった俺は、厳しかった親父に正座して頼み、池袋西武のプレイガイドでチケットを購入。12月2日学生服で東京体育館へ向かった。ステージに向かって左側のスタンド席、とてつもないPAスピーカーの数、ステージ中央にはお城の影、その後には虹の影。開演時間が近づくと観客も殺気立ってくる・・・。叫び声やチラシの紙飛行機の嵐。初めて感じるこの興奮・・・。お城と虹の影にチェックのライトが流れるたびに、会場は大騒ぎ。



暗転からの『Over the Rainbow』始まったー!出たぁ!リッチーブラックモアだ―!!
消しゴムみたいに小さいが動いている、ギターを弾いている。アホみたいにでかい音、サウンドにぶったまげた!これがロックだ!音はでかいがバランスは良かったな―。
【ロニージェームスディオ】や【リッチーブラックモア】の一挙一動に観客の目が心が釘付けになっている! 1人の人間が、何千もの人の心を感動させ左右する。趣味で演奏してるわけじゃない!!こんな仕事があるんだ・・・。何故かこの時、俺の中でこれだ!これしかないと思った。
コンサートは、あまりの盛り上がりに演奏は中断、危険回避のアナウンスも入り20分間位中断。ステージ再開、どの曲をやったかも記憶にないくらい怒涛のパフォーマンス〜そして"チャイコフスキー1812"に乗せての【コージーパウエル】のドラムソロからエンディングへ。
とにかく外タレ初体験のハードロックバンドのレインボー!ライブ終了後帰宅電車の中で自分はこうなりたいと!いや絶対になるんだ!と密かに決意している16歳の冬だった。大爆笑・・・。

ここから数年の記憶はかなり曖昧である。
この年念願のエレキギターをゲット、【GrecoのEG-700、ELK】のアンプだった。とにかく音楽を聴きまくりギターを練習しまくった。


(Greco EG-700)

聴く音楽はRockのみならずJazz. Blues. Country. R&B. Funk. Pops何でも聞いた。
今の様に情報が少ない時代、シンコーミュージック出版のギタリスト100選のような本から情報を得て100人のギタリストはマストで聞かねばと・・・。実際ほとんどのレコードは買って聞いたなぁ。
近くに輸入盤の店があって、日曜などは朝から詰めかけ、レコードジャケットを見まくり、閉店まじかに買うのはジャケットの端を切ってあるカット盤1枚だけとかね。今思い出すといい迷惑だね(笑)ずっと出入りしてる内にその店のマスターと仲良くなり、いろいろなレコードや音楽話、音楽理論なんかも教えてもらった。
感謝の意を込めて・・・"BusStop"のOさん本当にお世話になりました。ありがとう〜一生忘れません。
そんな中で【Jimi Hendrix】と【オーティス・レディング】のモンタレーでのカップリングLPは衝撃的でそれ以来ヘンドリックスフリークになった。



それ以外も、とにかくレコードを買い集め毎日のように聴き狂い、ギターを手に完コピーでもないのにレコードに合わせて弾いていた。
ちなみに77年には【Dave Mason】や【Rory Gallagher】を見に行ったなぁ。【Dave Mason】はアコースティックからライブをスタート、その歌とコーラスには驚かされた。【Rory】はブギーのアンプの上から飛んで登場!転びそうになりながらギターを弾きまくる元気なBluesを聞かせてくれた。
とにかく3大ギタリストと【Hendrix】そして【Allman】【.Richie】 【Tommy Bolin】がお気に入りだった。

学校に行っている時以外は自宅で必ずギターを弾いていた。学校から帰宅するのが16時、夜明けのお気に入りのFENの放送4時5時までギターを抱いていたっけ・・・。数時間寝てまた学校へ〜帰宅してギター・・・・そんな高校生活だった。
大学受験の年も何も変わらずGuitarist Band Musicianに対する憧れ願望は膨らむ一方で本当に勉強なんかしてる場合じゃなく、夢に向かって一直線だった。
そして1978年【Frank Marino】が来日、ヘンドリックスフリークの俺にとっては絶対に見にいかなければならないアーティスだ!!また厳しい親父にこれまた懇願して、観に行った。とてもトリオとは思えないサウンドでびっくり!後になって実際演奏をしてないとか、裏でサイドギターが居るとか諸説言われたがそれを含めたとしても十分に素晴らしいライブだったな。



そして見事に、高校受験に続き、大学受験にも失敗し浪人することになる。親には申し訳なかったが高一でミュージシャンを目指した俺にとっては大した問題ではなかった。笑い話として1つ、【Gary Moore】在籍時ColosseumⅡのThe Inquisitionを必死にコピー。完全コピー出来たと思い自宅部屋で大音量で弾いていると、お袋がドアを叩く!おふくろ曰く「あんた、全然合ってないわよ!(笑)"」バイオリンを昔弾いていたお袋の言う事だ、間違いなく弾けてなかったんだろう。そんなこともあったな。
今は?って当然忘れてしまって弾けないわ(笑)


(18歳〜19歳ぐらいの俺)

と言うわけで、76年から78年にかけては【Clapton. Beck .Cream. BBA .Allman. Rainbow. Purple .B.B.King .Buddy Guy. Gary Moore】などお馴染みのギタリストを徹底的にコピーしていた。78年から79年にかけてはほとんど【Jimi Hendrix】しか聞いておらず当然ギターもヘンドリックスの曲ばかりコピーして弾いていた。当時Hendrixのアルバムはベストを除けば6枚程度しか発売されてなかったが、何故か海賊盤やらで40枚近くのレコードを集めていたと思う。中々のコレクターだな俺(笑)
話は少し戻るが、輸入盤ショップで閉店後のジャムセッションに参加し出したのもこの頃だ。 そして 79年の夏に衝撃的かつ決定的なことが起こる訳だ、、、。つづく


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